居間の西側には10畳の和室、和室の北側には6畳の寝室がありました。いつも和室で過ごすというおばあちゃんが、「この和室には、実家の思い出の品々がいっぱいあるんですよ。
50年前に嫁に来た時、実家が壊すというので書院、天袋などを貰ってきました。今度も三浦さんのおかげで、この家でもそれらの品々と共に生活が続けられることがいちばんうれしいですね」と話されました。現在の職人さんでは、もう作れない伝統技が時空を越えて甦っていました。
その後、Sさんと奥さん、そしてお子さんの3人が2階を案内して頂きました。ヒノキ(通し柱)とマツを使った2階は、奥さんがくつろげて、最も好きな場所というだけあって、2階の居間・寝室からの展望は、まさにパノラマの世界でした。南西の展望ベランダからは、吾妻小富士からなる吾妻連峰と安達太良連峰が一望できるほか、寝室にはその絶景を独り占めしたかのような大展望窓が設置され、あたかも大きな絵画が掲げられているかのようでした。「冬の景色が最も美しく見えます」と奥さん。南側も陽ざしを遮る建物や障害物等がないばかりか、近くを流れる須川が心を一段と癒してくれそうでした。
東側はお子さんがゆったりと遊べる子供部屋、西側にウォークインクローゼット、北側には掃出窓を備えたベランダがあってすべてが機能良く設置されていました。居間にはミニキッチンとトイレも完備され2階だけでも充分に生活できる間取りとなっています。