三浦工匠店 新数奇屋造り100年住宅

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“モノをつくる”職人さんの姿、良いですね!
 昨年10月、国見町の国登録文化財『奥山邸』が4カ月振りに三浦工匠店の手で改修工事が完了した。その改修を記念して12月には、町を挙げて町民等に一般公開された。奥山家は天保年間(1830~1843)から昭和初期にかけて、呉服屋・地主・金融業・製材業等で富と財を築いた豪商。現在の和風の母屋と洋館は大正10年に完成した。
全面改修となった『奥山邸』の外部と内部
平成10年4月に国登録有形文化財に登録されたが、翌年3月の東日本大震災で家屋損壊、石蔵・土蔵、石塀が倒壊する被害に遭った。すでに宮城県沖地震から所々の損壊が進んでいた矢先のことだった。

 当家の奥山トキコさんは、幸いにも当日は県外にいて無事だったが、帰宅後の家内の大惨事に驚いたという。改修が終わった現在、その当時の模様を語るのは写真だけとなった。奥山さんは「親戚や知人から助けて戴いたが、一日も早い家の改修を終えたいと思い、近くの建築屋さん声をかけたが何処も『ウチでは請け負い切れない』と断られたんですよ」と当時を振り返える。途方に暮れていた矢先、親戚から福島市に良い大工さんがいると紹介されたのが三浦さんだと言う。

母屋の主要2箇所には耐震補強材、
トイレ、風呂等が改修、
複数の居間等が完全修復

 改修は母屋と洋館の全面改修工事となった。母屋は、屋根、瓦、外壁(漆喰)、内壁等の補修、風呂、トイレ、台所等の補修、玄関壁の塗り替え、母屋の中心には耐震補強材2カ所に設置した。洋館は外壁のタイル補修、内部は漆喰補修、建具補修、屋根塗り替え等々、"ありとあらゆる"手段と手法を駆使して元の姿に戻した。この修復作業を見ていた奥山さんは「職人さんは皆さん、"モノを作る"ことに貪欲でしたよ。こんなモノがここにあったらいいねと言うと、いつの間にか、そこに私が描いていたモノがあるんですよ。普通なら『やっておきましたよ!』と恩がましいことを言うのですが、そんなことは一言も言わずに出来ているのです」と微笑んでいた。

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