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200年の時を刻む老舗旅館「なかむらや」を復元
 福島県を代表する福島市の飯坂温泉。元禄2年(1689年)は“奥の細道”で多くの句を残した松尾芭蕉も湯につかったと伝えられる日本最古の木造建築共同浴場・鯖湖湯、その一角に創業100年の時を刻む老舗旅館「なかむらや」(=写真全景)が、平成23年3月11日の東日本大震災の被災から1年を経て見事に復活を果たした。改修を終えた同旅館は、白壁の情緒溢れる木造3階建て、湯の町・飯坂を代表する建造物だ。本館・新館ともに寄棟(よせむね)造り(屋根形式のひとつで、4方向に傾斜する屋根面をもつもの)、土瓦葺、大壁造り(柱などが内からも外からも出ないように壁面内に収める壁構造のこと)の構造からなり、新館は明治29年に建築され、本館は江戸期に建築された花菱屋を初代が明治23年に買い取ったもの。平成9年(1997年)には登録有形文化財に登録され、平成10年(1998年)の「福島県の近代和風建築」(福島県文化財調査報告書第348集=福島県教育委員会)にも遺構のひとつとして紹介された。

 女将の笑顔と「お持てなしのこころ」は、これまで多くのリピーターから愛され、近年はテレビ、新聞を始め旅行雑誌、建築誌などに登場し「泊まってみたい宿」として人気を博している。(写真=江戸・明治・大正の佇まいが残る町なみ・奥には堀切邸が見える)

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