三浦工匠店 新数奇屋造り100年住宅

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県立福島工業高建築科の生徒さんからの作文
平成22年1月28日更新
 昨年の9月に「数寄屋建築について」と題して、県立福島工業高校の1年、2年生の皆さんに、私としては初めてとなる講義を行いました。学校の方から。「数寄屋建築について生徒達に話しをして欲しい」との依頼を受けましたが、高校生に何を、どこまで話したらよいかと悩みましたが、私の家づくりに対するこだわりである数寄屋造りということでお引き受けしました。実習と実技を体験することで、日本の伝統建築を少しでも理解して貰えば有り難いと思い2回にわたり教鞭に立ちました。終わった後、生徒さんに数寄屋造りについてどこまで理解できたのかと不安でしたが、それから数ヶ月経って、学校側が生徒さんに作文を書かせたことを知りました。そして担当の先生から後日、3人の生徒さんの作文をこのたび頂き、その純粋さと新鮮さに感動さえ覚えました。また、1月26日には3年生にも同じ講義を行ってまいりました。

『実際に講義を聞いてみて、また実践してみて』

●建築科2年 齋藤竜馬君からの作文

 今日の三浦藤夫さんの話しを聞いて、自分は初めて数寄屋というものの存在を知りました。この書院造りに茶室を取り入れた昔ながらの住宅形式の伝統的な数寄屋造りを今もなお、現代に引き継いでいるということで、とても素晴らしいと思った。自分としても洋風な造りよりも、日本独特の和風な好きなので、とても興味深く、茶室が露地の複雑な構成や様々な過程があることにも関心を持ちました。『茶室』『露地』と一言でいっても、それは思っている以上に奥が深く、苑路と言ったものがとても重要になり、自然の良さを演出するなど改めてその質素で落ち着いた雰囲気にひかれました。

 また、実際に数寄屋を建てる上で使われてきた昔ながらの伝統工具である、チョーナやヤリカンナを体験してみて、江戸時代の人達はこんなに難しい工具を使いこなして作業していたのかと思うと、今はとても便利な機械や道具があって楽だなと感じました。模型や“継ぎ手”、“ほぞ”などに関しては、外見からはまったく予想がつかないほど中身は複雑で、例えば斜めにしなければ抜けなかったりなどしても、丈夫に出来ていて、機械ではなく職人の手によってこそ成すことのできる素晴らしい技術なんだと思いました。

 今日、このような講義を聞いたり、体験したりしてみて、自分たちの身近には三浦さんのような、日本伝統である数寄屋造りを引き継いでいる一流の職人さんがいる事を知り、もっとこういう機会を通してさらに多くのことを学びたいと思いました。

● 建築科2年 植松文晴君からの作文

 今回は、数寄屋建築について学びました。まず歴史では、300年前から作られているもので、千利休を始めとする歴史に名を刻んだ人たちが携わっていた事実に驚きました。また作りとしては、豪華絢爛とは程遠いもので、感想としてはなにかわびしさや質素さがあるかのように感じましたが、実際には匠の技がいたる所にまで、施してあり日本建築の神髄であると思いました。三浦藤夫氏が手がけたものにつきましては、古民家再生など大変素晴らしいものだと感じました。
 次に実習では、“やりかんな”など昔ながらの工具を実際に体験してみましたが、とても力が必要で大変でした。今も現役で使われている工具だということに驚きました。また、手斧ではうまく削り取ることができなく伝統の技の難しさがわかりました。自分たちが使っている工具とは違った良さや味があるかのように感じました。

 今回の数寄屋建築についての話しを聞いてみて、建築というものは幅広いものだと感じさせられる1日でした。実際に伝統や工法を守り続けていくことが如何に大切で難しいものかを次の世代や自分らが考えていくべきだと考えさせられました。将来自分が設計士などをする場合、数寄屋建築の侘びしさを現代建築と融合させ、昔ながらの日本の良さを自分が伝えられるようにこれから努力していきたいと思っています。

● 建築科2年 阿部佑樹からの作文

 今回は実習の時間の時に、三浦藤夫氏に数寄屋建築についていろいろなことを教えてもらった。自分は数寄屋づくりについては名前すら知らなかったのでとてもいい話しを聞くことができたと思う。数寄屋建築は茶室の要素を取り入れたもので、実際に写真などを見せてもらい分かりやすく簡単に理解することができた。三浦さんの話しを聞いた後は、日本の伝統連築のやり方を実際に体験させてもらった。①伝統木造模型②鑓鉋(ヤリカンナ)、手斧(チョーナ)③鉋(カンナ)の3つに分けてやり方を体験した。

 1つ目の伝統木造模型は組み立てられていたのを一度くずして始めから組み直す感じでやった。最初は何をどう組み立てればよいのか分からなかったが、木に書いてある文字に気をつければうまく組み立てられると教えてもらったので、うまくやることができたと思う。
 2つ目は、鑓鉋と手斧の使い方を教えて貰った。2つとも初めて見る道具だったが、今回の実習でやり方を理解することができたので、よい体験ができた。
 3つ目の鉋については、今までに何回かやっていたが、鉋の刃をうまくだしてもらっていたので薄くやることができたが、先生はもっと薄くやっていたので、とても驚いたが、良い勉強になったと思う。

 今回の実習はどれも初めてで知るものばかりだったので、良い体験だった。今回教えてもらったことを忘れずに、これからも建築について学んでいきたいと思った。  
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